【引っ越し】インターネットが繋がるまでの準備
新年度や新学期など、節目のタイミングでは引っ越しをする方も多いでしょう。また、在宅勤務が多くなったことがきっかけで引っ越しを検討する人もいると思います。
引っ越しの際、様々な準備が必要になりますが、インターネットもそのうちの一つです。引っ越しにあたり、インターネットの契約をどうすべきか、新たに契約が必要なのか、どうすればスムーズかつ快適に新居でもインターネットを使用できるか、など気になることは沢山あります。
本記事では、引っ越しを4度経験した筆者が、引っ越しの際のインターネットの手続きについて、ネットが繋がるまでの流れを踏まえ解説します。
- 事前準備:現在使用しているインターネット回線を確認
- 契約する回線・プロバイダを決める
- インターネットの契約・開通工事の手続きをする
- 固定回線との契約の場合、Wifiルーターもお忘れなく!
- 引っ越し後もスムーズなインターネットライフを
事前準備:現在使用しているインターネット回線を確認
まず、当たり前といえばそれまでですが、現状使用しているインターネットの状況や契約について確認する必要があります。
新居でも使えるか
現在契約しているインターネット回線が、新居も対応しているエリアであれば契約している事業者に移転手続きをすれば対応してくれます。
必要な情報(IDや契約者名義)などがあれば、工事後に同じインターネット回線を使用できるようになります。
準備や手続きを抑えられるので、新居でスムーズにインターネットを使用したい方におすすめです。
近年はインターネットが無料の物件も増えており、マンションやアパートで備え付けのインターネットを使用している場合は当然ながら新居で新しく回線事業者やプロバイダとの契約・申し込みが必要です。
※もちろん、引っ越し先にインターネットが備わっている場合は、基本的に準備は不要です。
モバイルWifiルーターの場合
モバイルWifiルーターを利用している場合、新居が対応エリア内であれば引っ越し前と同じように利用できます。引っ越し先が対応エリアかどうか事前に確認しておきましょう。
また、モバイルWifiルーターは使用する場所によって通信速度などのパフォーマンスが変動するため、対応エリア内であっても可能であれば事前に問題なく通信できるか確認しておくと良いでしょう。
新居でも使いたいか
現在使用しているインターネットについて確認を行い、新居も対応エリアの場合でも、そのサービスや品質に満足していなければ引っ越しを気にサービスを変更するのもアリでしょう。
契約の縛りや解約金について確認のうえ、トータルでインターネットを乗り換える方がメリットが大きいかどうかを判断しましょう。
契約する回線・プロバイダを決める
使用しているネット回線を継続してする場合や、新居にインターネット環境が備わっている方を除いて、新たに契約する回線・プロバイダを決める必要があります。
インターネット全盛の現在、様々なインターネット提供者があり、どのようにサービスを選ぶか迷う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、大きく「固定回線」「ポケットWifi」の2つに分けてメリットやデメリットなどを解説します。
固定回線は安定感・速度・容量に優位性あり
固定回線は、インターネット通信の安定性と速度に優れています。有名所でいえば、「NURO光」であれば最大通信速度2Gbpsもあり、テレビ会議はもちろん、オンラインゲームなどインターネットを利用するあらゆるコンテンツやサービスを快適に楽しめます。
一般的なスマートフォンと異なり、通信容量に制限のないプランが多いのも特徴です。リモートワークが広がり、インターネット中継やオンラインコンテンツが増えている時代に合ったサービスといえます。
もちろん、家族で色々な端末を同時に接続しても安定して使えます。
デメリットとしては、工事が必要で申し込みから使用開始できるまでに時間がかかること。申し込みから工事まで3週間かかる場合もあります。
たとえば、都内でオフィスに近い物件からリモート中心になり郊外に引っ越しする際、前もって準備をしておかないとせっかく引っ越したのに入居からしばらくはインターネットが開通できない事態になりかねません(そうすると、しばらくオフィスに行く必要があり本末転倒ですね・・・)
そこで、スピード感を持って使用開始したい方におすすめなのがポケットWifiです。
固定回線では回線とプロバイダの両方が必要
特に始めてインターネットの契約をする場合の落とし穴ですが、回線事業者の契約とは別に「プロバイダ」との契約が必要です(一体となっているサービスもありますが)。
プロバイダは回線とインターネットをつなげる役割を担います。回線だけ契約しても、あくまで「ハコ」を利用しているだけで中にインターネットを通すためにプロバイダが必要です。
ただ、最近では回線とプロバイダが一本化されたサービスが増えており、契約や支払い、サポートを集約できるので、集約してしまうのがおすすめです。
<ソフトバンクユーザーにおすすめ>
携帯電話でソフトバンクユーザーの方も、そうでない方もオトクに固定回線を利用できるキャンペーンがあります。こちらのサイトからお申し込みいただいた方が対象です。
<月額料金を抑えたい方におすすめ>
引っ越しでは物件の初期費用や新しい家具家電など、何かとお金がかかります。可能なら、できるだけ費用を抑えてインターネットを利用したい方も多いでしょう。そんな方には、「GMO光アクセス」がおすすめです。
速度や容量も十分になってきているポケットWifi
筆者も、当初下調べが不十分で固定回線だとすぐにインターネットを使えるようにならず、最終的にポケットWifiのサービスを利用した経験があります。ポケットWifiは、端末が届けばすぐに利用できます。よって、引っ越しまであまり時間がないタイミングからでも間に合います。最短で数日で届くものも多いです。
固定回線と比較すると通信速度は劣るものの、今では最大通信速度1GbpsのポケットWifiサービスもあり(これだけあれば基本的には十分です)、通信容量が無制限のプランをお手頃な価格で利用できます。固定回線と比較して、月額で大体1,000円~2,000円は安いのが基本です。
ポケットWifiのなかでも「VisionWiMAX」がおすすめ
プランにもよりますが、かなり低価格で無制限のインターネット通信が可能なポケットWifiが「VisionWiMAX」。事務手数料が無料なのも嬉しいポイントですね。
あなたに合ったインターネットサービスを
固定回線かポケットWifi、どちらを選ぶべきかは利用者の状況に応じて変わると思います。
もし余裕を持って契約を進められ、より安定したインターネット接続を重視するなら固定回線、確実に入居後すぐにインターネットを利用したいのであればポケットWifiの方が確実、といった感じです。
また、利用している携帯電話会社によって、固定回線も同じ会社のサービスを利用することでオトクになったりもします。
あなたの状況に合わせて、最適なインターネット事業者・サービスを選んでください。
インターネットの契約・開通工事の手続きをする
利用するサービスが決まれば、契約に進みます。
固定回線の場合、引っ越し後にインターネット開通の工事が必要です。引っ越し日を踏まえ、工事を行ってもらう日程を選択します。また、インターネットが無料の物件でも、集合住宅では共用部から部屋への引き込み工事が必要な場合もあります。事前に確認をしておきましょう。
ポケットWifiの場合は、Webなどから手軽に申し込みをすれば、最短で数日から利用できます。
固定回線との契約の場合、Wifiルーターもお忘れなく!
仕事などでPCに直接つなぐだけであれば、固定回線のみでも不便はありませんが、スマホやタブレット、あるいはインターネットに繋げるTVなど、様々なデバイスからネットに接続したい方が多いでしょう。
契約する事業者のサービスの中にWifiルーターが入っている(無料またはオプション)場合もありますが、事前に確認しておきましょう。また、マンションやアパートの備え付けのケースでは、事前にWifiルーターを準備しておくとスムーズです。
Amazonなどで手軽に購入できるので、必要な形は是非チェックしてみてください。
筆者がいくつか使用したなかでのおすすめはこちらです。通信が安定しており、何台ものデバイスからつないでも、ビデオ会議や動画視聴などもサクサク行えました。
引っ越し後もスムーズなインターネットライフを
コロナによる影響もあり、自宅でのインターネット環境の重要性は社会人でも学生でも高まっています。進学や就職・転職、配属の時期は非常に慌ただしいですが、新居での生活をスムーズにスタートできるよう、インターネット環境についても事前に準備をしておきましょう。
合わせて読みたい
快適なテレワークを!おすすめしたいアイテムを用途別に紹介 - スポビズ研究所
【UX/UIデザイン】初心者向けおすすめ本 9選|2022年最新版
「モノ」から「コト」への転換が叫ばれるなか、UX/UIの重要性が増しています。
一方で、「UX」や「UI」がバズワード的に独り歩きし、その本質が見えづらくなっている側面もあります。今回は、プロダクト提供者として欠かせない「UX/UI」を理解するためのおすすめ本をご紹介します。
UXとは?UIとは?
おすすめ本の紹介に入る前に、UXやUIについて確認しておきましょう。
UX(User Experience)とは
まず、UXとは文字通り「ユーザー体験」です。プロダクトを通じて得られる体験を指すことが多いですが、もう少し広く捉えると、プロダクトに触れる前の認知段階から、使用中・使用後までを含めた体験と捉えることができます。
当サイトがひとつのメインテーマとしているスポーツビジネスにおいて、ファンが試合を観戦するUXに当てはめてみます。
試合中にどんなイベントや演出、試合そのものを楽しんでもらえるかが中心にはなりますが、前日や試合前からどのようにして観戦ムードを高め、試合後にはどんな感情を持ち、体験を振り返ってもらうか。
必ずしも、プロダクトに触れている時間だけがUXではないことを念頭におきながら、UXを設計することが個人的には重要だと考えています。
UXはコントロールできるとは限らない
もちろんプロダクトを作るうえで「UX」は意識すべきではあるものの、作り手の設計通りのUXになるとは限りません。なぜなら、ユーザーが置かれた状況や特性によってプロダクトに対する知覚・感情が異なってくるからです。
本記事でもご紹介する「UX原論」でも述べられていますが、「UXデザイン」という言葉も広まっておりUXはコントロールできると誤解されがちです。UXは設計できる部分もあるがユーザー次第の部分もあると認識することが重要です。
UI(User Interface)とは
UIは簡単にいえば「ユーザーに見えて触れるすべての場所」です。Interfaceは「接点」という意味で、Webサイトでいえば画面のデザインや、つまり「見た目」にフォーカスした概念です。
フォントやボタンなどの要素もUIに当てはまります。
UXとUIの違いとは
まず、UIは目に見えやすいのに対して、UXは目に直接的には見えにくい要素も含まれています。また、UXはより広い概念であり、ユーザーによって個別性もあるといえます。
よく「UX/UI」とひとくくりにされているように、境界が曖昧な側面もありますが、基本的には「UIはUXを実現する手段」と捉えるのが良いでしょう。
プロダクトを開発するにあたり、最初に考えるのは「どんなユーザーにどんな価値を提供するか」であることが基本です。これはUX/UIでいえばUXに近い考えですね。
ユーザーにどんな体験をしてもらえれば成功といえるか、を定義したうえで、それを実現する手段を決めていきます。そのひとつにUIがあるイメージでしょうか。
UX/UIデザインのおすすめ本をご紹介
前置きがやや長くなりましたが、UX/UIデザインの学習におすすめの本をご紹介します。
UI/UXデザインの原則
ユーザーに満足してもらうために必要なUI/UXを学べる本です。「使い勝手」や「見た目」にとどまらない、ユーザーが抱えている心理や行動に基づき、UX→UIにどう落とし込むか、イメージしやすくなるでしょう。
ボリュームがあまり多くない一方で、具体的な例も比較的多く、UI/UX最初の一冊としておすすめです。
UX原論 ユーザビリティからUXへ
ややアカデミックな雰囲気もある本書ですが、これからUXを学んだり仕事にする方は、最初に「UX原論」を読んでおくのがおすすめです。
「UX」という言葉が生まれた背景や経緯から丁寧に解説されています。色々な人がそれぞれの定義で使ってしまうため、認識を合わせるのが難しい側面もありますが、本書のエッセンスを理解していればUXをあらゆる角度から理解できるでしょう。
アフターデジタル2 UXと自由
「アフターデジタル」とは、デジタルの世界がリアルの世界に侵食し、オフラインがオンラインの一部と位置づけられるデジタル社会を指しています。そこでは、ユーザーとの接点を増やし、行動データを分析しながらUXに還元していく重要性を説いています。
UXにフォーカスを当て、マクロな視点でデジタル時代にUI/UXが重視されている背景を腹落ちできる本です。また、コロナによる社会的な変化も踏まえた最新の内容となっています。
巨大IT企業を題材としながら、その戦略や本質に迫り、UXとの接点が分かりやすく解説されています。競争の激しいデジタル時代に必要なUXの考え方を身につけたい方は、要チェックの本でしょう。
UXデザインの教科書
UXデザインを志す方は、必見の一冊。UXデザインの理論やプロセス、具体的な手法まで網羅的に解説され、まさに「教科書」といえる本です。UXとUXデザインの違いや、UXデザインの対象やプロセスなどをしっかりと定義・整理してくれています。
ユーザーの視点に立ってプロダクトを設計してきた識者が、そのナレッジを集約しており、効率的・効果的なインプットになるでしょう。
ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム
UXデザインは、言い換えるとユーザーが抱える課題とその背景を汲み取り、プロダクトやサービスを通じてその課題を解決し、進歩する手助けをすることといえます。
そう考えると、UXデザインを学ぶうえで「ジョブ理論」は非常に有用です。ジョブ理論は、顧客がそのプロダクトを「雇用」する因果関係を明らかにするもので、顧客が置かれた「コンテキスト」を明らかにしたうえで、機能面/心理面/社会面から提供できるベネフィットを考えます。
このプロセスは「ジョブ理論」と非常にリンクしており、UXデザインを学ぶうえで理解しておくとアウトプットの質が上がるでしょう。
UXデザインの法則 ―最高のプロダクトとサービスを支える心理学
2021年5月に発売されたばかりの、UXデザインのエッセンスが詰まった一冊。UXを考えるうえで、ユーザーの状況と心理の把握が不可欠ですが、特に心理面に踏み込んだ考察があります。
あらゆるプロダクトに応用できる、UXデザインの法則を学びたい方におすすめ。
はじめてのUXリサーチ ユーザーとともに価値あるサービスを作り続けるために
良いUXデザインをするうえで「リサーチ」が欠かせません。UXリサーチの重要性が増している背景や、UXリサーチの捉え方まで基本をしっかりと学べます。さらに、UXリサーチの文化を組織に根付かせるための方法論も解説。
メルカリのサービスを例に実践的なUXリサーチの内容も入っており、これからUXデザイン・UXリサーチを学びたい方も具体的なイメージができるようになります。
はじめてのUIデザイン 改訂版
UXにフォーカスした本も紹介しておりますが、こちらは逆にUIに特化した本です。ただ、UIデザインの具体的な手法を解説する前に、ユーザーが抱える課題やそれを解決するシナリオを踏まえ、UIデザインを具体的に説明しています。
UXの重要性が、ここでも伺えますね。
UIデザインについては、アプリやWebのユーザー環境や基本的なコンポーネントなど、基礎を分かりやすく解説しています。そのうえで、仮想のプロダクトをベースにUIフローや情報設計、デザインへの落とし込みなども理解できるようになります。
プロジェクトにおけるUIデザイナーの役割や、ディレクター・マーケターを巻き込んだ進め方など、ベースとなる姿勢も学べます。
UIデザインの教科書[新版] マルチデバイス時代のインターフェース設計
デジタルプロダクトの企画や開発に欠かせない、UIデザインの知識を網羅的に学べます。人間の特性や心理なども踏まえ、どのようなUIパターンを用いるべきかを判断する基礎が身につきます。
UIデザインを初めて学ぶ方にも豊富な図解で分かりやすく解説している本です。
UX/UIを学ぶべき理由
私自身はエンジニアですが、UX/UIを学んだことでアウトプットや日々のコミュニケーションの質が上がったと感じています。
UX/UIという言葉自体、共通して「ユーザー」にフォーカスしています。
モノ市場が成熟し、消費者のニーズも細分化するなかで、プロダクトの成否を決めるのが「スペック」から「体験価値」にシフトしています。作り手目線ではなく、ユーザー目線でのプロダクト開発が重要になっているのです。
また、「所有」から「利用」へのシフトしていくなかで、購入してもらうこと以上にユーザーに何度も、継続的に使ってもらうことが大切です。よって、プロダクトにおける使用体験(UX)の視点が不可欠なのです。
UX/UIを学ぶことで、ユーザーを起点としたマーケティングに転換しやすくなるでしょう。
そして、UX/UIはマーケターとエンジニアの共通言語になりうると感じています。作り手はどうしても作り手目線から抜け出しづらい部分があります。マーケターとのコミュニケーションに齟齬が生まれることもあります。
この両者を同じベクトルに向けてくれるのがUX/UIなのです。つまり、マーケターはもちろん、市場価値を高めたいエンジニアもUX/UIを学んで損はないどころか大きなプラスになります。
ユーザー視点で設計できるUX/UIデザイナーが求められている
デジタルプロダクト全盛の時代で、ユーザー視点で設計できるUX/UIデザイナーの重要性が増しています(そもそも、UX/UI自体が「ユーザー視点」が組み込まれていると理解しています)。
機能面で差別化が難しいのもあり、UX/UIデザインの差が市場シェアにも響いてくるのではないでしょうか。UX/UIはデザイナーだけでなく、マーケターやPMなどあらゆる職種に求められるでしょう。
合わせて読みたい
『マーケティング本』初心者におすすめの13冊|2021年最新版 - スポビズ研究所
ジョブ理論とは?事例から学ぶジョブ理論
私が最近マーケティングについて勉強しているなかで、非常に印象に残っているのが「ジョブ理論」です。
よく「インサイトの発掘が重要」といわれますが、その「インサイト」をどう見つけていくか、これがなかなか難しいところだと感じています。そんななか、たまたま手に取った本の内容がまさに「目から鱗」でした。それが、こちらの本。
「ジョブ理論」とは
詳しい内容は本書に譲りますが、ジョブ理論とは、簡単にいえば顧客がなぜその商品やサービスを「雇用」するのか、これを明らかにしていくこと。「ジョブ」はその顧客が成し遂げたい成長や解決したい課題です。
「利用」ではなく、「雇用」であることがポイントです。意味合いとしては、その顧客の人生における何らかの課題を解決するために、生活の一部に「引き入れる」といったところです。
よく「相関」と「因果」を混同しないことが重要であるといわれます。
たとえば、あるサービスを利用している顧客データをもとに、「〇〇地域の30代男性が使用頻度が高い」などの分析を行い、マーケティング施策に反映することがありますが、これは「相関関係」を切り取っただけにすぎず、必ずしも望ましい成果には結び付きません。
データが簡単に取得できる時代になり、どうしても「相関」に流れがちですが、重要なのは「なぜ」そのサービスや商品を雇用したのか、ということ。こちらも例を挙げると、有名なミルクシェイクの事例。
ミルクシェイクはどのような「ジョブ」を解決するか
アメリカという車社会では、ミルクシェイクが人気があったりします。どのような層に人気で、どんな味が人気なのかを探り、試行錯誤するものの売上が伸びませんでした。
そこで、顧客にインタビューを行ったり、行動を観察したりしたところ、あることに気づきます。それは、「通勤の長いドライブのお供としてミルクシェイクを雇用している」という事実。
ミルクシェイクは味が濃く一気に飲み干すことが難しい飲み物で、腹持ちがよく長いドライブ時間のお供として最適でした。朝からチョコのような甘いをお菓子を口にする罪悪感もなくジョブを解決してくれます。
このことから、
- (朝の時間帯は)会計や商品受け取りを簡略化し、スムーズな購入を実現
- 味を濃くしてより長い時間ミルクシェイクを楽しめるようにする
- 車のカップホルダーに合う形状の入れ物に変更
などの施策を展開し、売上が爆発的に伸びたとのことです。
改めて、「ジョブ」とは
「ジョブ理論」の根幹をなす「ジョブ」は、「特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」と定義されています。ジョブを分解すると、
- 特定の状況
- 顧客
- 成し遂げたい進歩
の3つの要素があります。先ほどのミルクシェイクの例でいえば、
- 特定の状況:長時間の車通勤で退屈な状況
- 顧客:朝時間に余裕のないビジネスマン
- 成し遂げたい進歩:退屈なドライブを紛らわす、朝食を効率良く摂りたい
のようにジョブを整理できます。
なぜ、ジョブ理論が重要か?
昔であれば、「なぜ」購入するのかよりも「誰が」購入するかの方が重視されていました。というのも、ある程度属性が近ければ同じような価値観を持っている可能性が高く、多くの消費者にアプローチする効率も含め、「誰が」に焦点を当てる傾向がありました。
しかし、インターネット時代で情報が溢れるなか、同じ20代男性であっても価値観が全然異なってきています。そこで、マス的な考えよりも「ジョブ」のレンズを通じて「なぜ」そのプロダクトを雇用するのかを明確にする流れが生まれています。
別の言葉でいえば「UX」に近い感覚でしょうか。
どのように「ジョブ」を見つける?ジョブ理論の実践
ミルクシェイクの例から、顧客の「ジョブ」を発見できれば、何をすべきかがクリアになっていきます。しかし、その「ジョブの発見」が難易度が高く感じるかもしれません。
結論からいえば、「ジョブ」を見つけるための唯一絶対の方程式はありません。本書では、その道しるべとなるような切り口を紹介しています。
- 身近な生活に潜むジョブはなにか?
- 「無消費」で済まされているジョブはないか?
- 間に合わせの対策で済ませていないか?
- できれば避けたいことはなにか?
- 意外な使われ方はしていないか?
の5つの問いです。
他の切り口や詳細は本書に譲りますが、たとえば「意外な使われ方」についてはキンコン西野さんの言葉で「意味をずらす」ということとも通じますが、絵本の世界観を伝える「個展」における「絵本」の販売が該当します。
個展での体験を提供し、旅行と同じように「お土産」がほしくなる層が一定数存在します。そのお土産として「絵本」を販売し、家で「インテリア」としても機能するようなデザインにしています。
絵本市場は非常に小さいなかで、「意外な使われ方」に着目した施策といえます。
ジョブを見つけるのに役立つUX調査
「ジョブ」と「UX」は非常に関連が強い概念だと思っています。両方とも、商品・プロダクトを購入する瞬間だけでなく、使用前から使用中の体験、使用後までをトータルで捉えています。
その意味で、近年よく耳にする「UXリサーチ」は、まさにジョブを見つけるための手段を位置づけることもできます。
ミルクシェイクのジョブの例でいえば、顧客の行動を「観察」し、なぜミルクシェイクを雇用するのかを明らかにしました。
ユーザーインタビューといったUXリサーチの手法についても理解を深めると、「ジョブハンティング」に役立てることができるでしょう。
UXを学ぶのにおすすめの本は以下にまとめています。
【UX/UIデザイン】初心者向けおすすめ本 8選|2021年最新版 - スポビズ研究所
ジョブ理論の実践を解説した『実践「ジョブ理論」』
冒頭で紹介した本は、具体例もありわかりやすい本ではありますが、理論的な側面が大きなウエイトを占めます。マーケターやビジネスマンとして日々の仕事に落とし込むには、『実践「ジョブ理論」』もおすすめです。
ジョブを構成する各要素の整理の仕方や、それらを踏まえたフレームワークも提示されています。特にマーケターにとって、すぐにジョブ理論の実践に落とし込めるようになっています。
企業として顧客の「ジョブ」に着目する重要性:ジョブ理論に適応した組織づくり
何か新しいサービスを展開する際、利用者としての不便な体験をもとにサービスを設計することが多いのはご存知の通りでしょう。ネットフリックスが立ち上がったストーリーは非常に有名ですよね。
しかし、ひとたびサービスが軌道に乗ると、どうしても「数字」がつきまとい、顧客のジョブと向き合う優先度が低くなってしまいます。これを避けるには、やはり組織(システム)としてジョブ理論と向き合いことが大切です。本書の後半ではこの内容についても解説されています。
ジョブ理論を活用し、イノベーションの成功確率を高める
ジョブ理論は「因果関係」に着目します。よって、ジョブ理論の考え方を突き詰めることで、目論んでいるイノベーションを成功させる確率を高めることも可能とされています。
少々厚い本ではありますが、マーケティングに非常に役立つ内容だと思いますので、一度読んでみてみることをおすすめします!
合わせて読みたい
データ分析のおすすめ本|ビジネスマン必見
昨今、耳にすることが増えた「データサイエンス」「データ分析」。テクノロジーが進化し、あらゆるデータをたくさん取得できるようになり、そのデータの活用の重要性が高まっています。
データ分析といえば、データサイエンティストやデータエンジニアを始め、理系寄りの人に必要なイメージが強いかもしれません。しかし、マーケティングや経営など、文系人材でも何らかのデータに触れ、活用していることでしょう。
そこで、この記事ではビジネスマン必見のデータ文系おすすめ本をご紹介します。データの高度な処理や分析というより、データに向き合う際のスタンスやステップ、ビジネス成果につなげるためのデータ分析という観点で厳選しています。
データ分析含め、データの活用はDX(デジタル・トランスフォーメーション)における一つのキーワードとなっています。DXについては以下の記事でもご紹介しているので、併せてご覧ください。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)初心者向けのおすすめ本 - スポビズ研究所
データ分析に役立つおすすめ本
データ分析人材になる。 目指すは「ビジネストランスレーター」
まさに「文系でもデータ分析人材になれる」ということを実例をもとに示してくれる本です。データ分析を進める5Dという実用的なフレームワークも、分析の高度な技術というより、ビジネスの考え方に沿った目的の定義の重要性を示しています。
また、データ分析=サイエンス、エンジニアリングではなく、ビジネス理解があり、データサイエンスもある程度理解のある人材の重要性や、その人材は社内で十分に育成できるとしています。
実用的なフレームワークはもちろん、組織としてこれからデータ分析を進めたい人におすすめの本です。
統計学の基礎から学ぶExcelデータ分析の全知識(できるビジネス)
データ分析といえば高度なテクニックを駆使した分析手法を活用するイメージが強いかもしれませんが、身近なExcelでもある程度の分析は可能です。よって、まずはExcelからスモールスタートでデータ分析をしていくのがおすすめです。
この本では、Excelを用いた具体的なデータ分析手法はもちろん、そのベースとなる統計学の基礎知識をExcelの操作も交えながら学べます。
最強のデータ分析組織
データ分析は、ひとりで完結するものではなく、ビジネスで成果を出すための手段のひとつです。よって、分析自体が目的になることはなく、分析によって導き出された示唆を他部門や他メンバーに活用してもらう必要があります。
また、データ分析チームだけでなく、他部門にもリテラシーを高めてもらうことでより効果的にデータ活用を行えます。本書は、そんなデータ分析組織を構築するための方法論を具体的かつ分かりやすく示してくれます。
統計学が最強の学問である[ビジネス編]
データ分析を学ぶうえで、「統計学」の知識が非常に有用です。たとえば、売上やアクセス数などが直近の推移や過去の平均から増加している際、それが統計的に有意かどうかを見極める必要があります。その際、統計学の「検定」が役に立ちます。
データ分析の全体設計時や、具体的な分析作業を行う際、最低限の統計学の知識があればより精度の高い分析になるでしょう。
資格を通じてデータ分析を学ぶ
データ分析やデータサイエンスのスキル定義が進んできており、資格もいくつかあります。まずは資格取得を目標にデータ分析を勉強するのもおすすめです。資格勉強のための本も出版されているので、いくつかご紹介します。
最短突破 データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)公式リファレンスブック
2021年から開始された「データサイエンティスト検定」。データサイエンスの各分野について、身につけるべき知識をまとめて分かりやすく解説しています。項目ごとにまとまっているため、リファレンス的にも活用できます。
データ分析実務スキル検定 公式テキスト
より実務に活用できるスキルの証明となる「データ分析実務スキル検定」。基本的な考え方からプログラミング言語やデータベースなど、エンジニアでなくても必要な知識を網羅しています。
マーケティングに役立つデータ分析のおすすめ本
マーケティングにはデータ分析が付きものと言って良いでしょう。市場調査やWebサイトのアクセスデータなどからどのようなインサイトを発見できるかで大きな差につながります。
マーケティングにおけるデータ分析の考え方や具体的な手法を学べる本をご紹介します。
マーケティングリサーチとデータ分析の基本
マーケティングのリサーチでは何となくデータを集めただけでは有用な示唆は導けません。データ分析により明らかにしたいことを明確にし、具体的な調査内容を逆算していきます。
この本では、マーケティングリサーチやデータ分析との向き合い方から具体的な手法まで網羅的に解説してくれます。
「数字指向」のマーケティング データに踊らされないための数字の読み方・使い方(MarkeZine BOOKS)
特にデジタルの世界では、マーケティングにおけるあらゆるデータを計測できます。だからこそ、数字に踊らされないためのリテラシーが必要です。
データドリブンでありながら、データに溺れず本質を見抜くためのスタンスを解説してくれるのが本書です。
データ・ドリブン・マーケティング―――最低限知っておくべき15の指標
データが取得できるからといって、すべてのデータを分析すればよいわけではありません。時間や人手には限りがあるからです。
本書は、マーケティングで見るべき15の指標について解説しています。データ分析からマーケティング施策につなげるうえで苦労している人は、この15の指標を踏まえKPIを見直してみると良いでしょう。
新装版 鈴木敏文の統計心理学
日本最大のコンビニチェーンで、最も多くの消費者に頻繁に接しているセブンイレブン。その膨大な統計データと向き合い、経営に役立てるうえでの考え方を学べます。
「そんなデータの見方があるのか」と発見の連続です。データと向き合いながら消費者の心理をどう照らし合わせるのか、非常に実用的な本です。
より具体的なデータ分析手法を身につけるならプログラミング言語も
本記事でも紹介した本にもありますが、ある程度のデータ分析はExcelでも可能です。しかし、より高度な分析にはプログラミング言語も必要となります。
数あるプログラミング言語のなかでも、データ分析に適しており近年人気も高いのがPythonです。
本ブログでもPythonのおすすめ本をまとめているので、興味のある方はご覧ください。
【体験談あり】サラリーマンの副業について|月10万
さまざまなテクノロジーの急速な発展や、グローバル競争などにさらされ、どんな企業でも永遠に続くとは限りません。特に2020年の新型コロナウィルスによる一連の流れは、このことを強く知らしめたのではないでしょうか。
「サラリーマンは安定」という価値観はもはや古く、現状に不安を抱える人も多いでしょう。エンジニアを本業とする私も、AIの成長などやノーコードの流れも踏まえると不安を感じている一人であり、少し前から副業による収入も得るようになりました。
本記事では、エンジニアとして本業をこなしながら、副業で月10万円に到達した私が、特別な才能がなくても一定の副業収入を得るために実践してきたことを体験談としてまとめてみます。副業している人が世の中的にも増加していますが、これから副業を始めてみたいサラリーマンの方の参考になれば幸いです。
- サラリーマンが副業するメリット
- サラリーマンはどのように副業を選べばよいか?
- サラリーマンの副業案件獲得方法
- 各副業案件の実体験談:どれくらい稼げる?
- 筆者の副業まとめ【2021年版】
- 複数の副業案件をミックスする(ポートフォリオ)
- サラリーマンが安定とは限らず、副業からチャレンジを積み重ねる
サラリーマンが副業するメリット
筆者の具体的な体験談の前に、サラリーマンとして副業を行うメリットを整理しておきます。
収入源を増やすことでリスクヘッジになる
ありきたりですが、収入源は多いに越したことはないでしょう。たとえば、政府の緊急事態宣言で業種によっては営業停止を余儀なくされる一方、十分とはいえない補償のなかでやりくりしないといけない状態に陥りました。
そんななかで、自分の仕事に大きな影響が仮に出たとしても、もし副業で一定の収入を得られていれば、リスクヘッジになります。逆にいえば、同じ業界での副業よりも、遠い業界のなかで自身のスキルを活かした副業が効果的かつ効率的です。
新たなスキル獲得や成長につながる
特に会社員として本業で十分な収入を得ている場合、副業という機会を通じて新たな挑戦をして新しいスキルを磨いたり、成長につなげたりすることができます。副業では業務委託の形で案件を受けることが多いので、全くの初心者として仕事を獲得するのは難しいですが、本業の知見を活かして別の職種に挑戦してみたり(エンジニア→Webライター)、スキルを活かして全然違う業界の仕事に挑戦してみたりといったことが可能です。本業の収入があるため、仮に失敗してもそれを「経験」として糧にできます。
サラリーマンでありながら税金関係に詳しくなれる
これは私が実際にやってみて学んだことですが、月10万円程度の収入を業務委託として得て、サラリーマンとして本業がある場合、社会保険は本業の方が優先され、副業収入に対して追加で保険料がかかるようなことはありません。
※副業でも法人を立てたりとなると変わってくるようです。詳しくは調べてみてください。
また、一定の副業収入があれば確定申告も必要になってきます。自分で調べながら確定申告をしてみると、どのような仕組みで税金の額が決まるのか、などたくさんの発見があります。
サラリーマンはどのように副業を選べばよいか?
副業を始めるにあたり、どのような副業を選ぶか迷う人も多いでしょう。絶対の正解はありませんが、さまざまな案件をこなしてきた私なりの見解を記したいと思います。
業種×職種で考える
会社員としての本業があるなかで、限られた時間で副業を行うには、基本的に「ド素人」として案件をこなすのは難しいでしょう。よって、「業種×職種」のマトリクスで整理してみるのがおすすめです。
単に収入源を増やしたいのであれば、職種・業界のいずれも本業と重なる領域が即効性があります。しかし、コロナ等で特定の業界に影響が出たり、特定の職種がテクノロジーの発展などで代替されるリスクもあり、投資でいう「ポートフォリオ」の考え方でリスクを分散させるのが個人的にはおすすめの戦略です。
筆者の副業ポートフォリオ
例として、筆者が行ってきた副業ポートフォリオも掲載しておきます。
あんまり参考にならないかもしれませんが、まずは本業を活かしながら「ライター」として副業を始めました。案件をこなしながらライティングの基礎を学びつつ、もともとスポーツビジネスに関する情報収集を趣味として行っていたので、本ブログのメインテーマとしてメディア運営も始めています。そうして、ライティングのスキルを向上させながら、スポーツ関連でのライティング案件もこなすようになりました。
業種・職種が全く関連しない副業として、配達業(Uber Eats)も挙げておきます。新型コロナウィルスの影響で需要が高まったタイミングもあり、ちょっと取り組んでいました。収入という意味では即効性がありましたが、とくかく副業を始めてみたい会社員の方、あるいは運動不足を解消しながら稼ぎたい会社員にはおすすめです。
サラリーマンの副業案件獲得方法
いざ副業を始めようと思っても、会社のように目の前に仕事があるわけではありません。自ら案件を獲得する必要があります。大きく分けて、プラットフォーム経由で案件を獲得する方法と、企業個別の募集へ応募する方法があります。
副業・フリーランスのクラウドソーシングサービスを利用
サラリーマンとしての本業をしっかり行いながら、副業案件を自ら"営業"して獲得するのは時間的に難しい側面があります。そこでおすすめなのが、「クラウドワークス」や「ランサーズ」に代表されるクラウドソーシングサービスへの登録です。
条件で絞りながら案件を探すことができ、副業を始める方の第一歩としておすすめです。近年では、エンジニアやライターなど職種に特化したクラウドソーシングサービスも出始めています。
このように、副業案件を探せるサービスについてまとめてくれている記事もあるので、ぜひチェックしてみてください。
クラウドソーシングサービス12社を比較!手数料・仕事内容もチェック | テックキャンプ ブログ
企業の求人情報などから探す
かつて、企業ごとの採用情報といえば新卒や中途がほとんどでしたが、最近では業務委託という形でサラリーマンの副業でも行える求人を募集しているケースが増えています。
業務委託:SEOライター - 株式会社WACUL | テクノロジーでビジネスの相棒を一人一人に
とはいえ、知っている企業の範囲でしか探せないため、自分のスキルや働き方に合った案件があるとは限りません。社長や社員が積極的に情報を発信しているケースもあるので、興味のある企業についてはSNSやHPをチェックしましょう。
各副業案件の実体験談:どれくらい稼げる?
会社員としての本業も踏まえ、業種×職種の観点で一定の距離がある領域にチャレンジしながら新しいスキルを開拓しつつ、副業収入を増やしてきた筆者が、各領域の案件ごとの体験談を記します。
エンジニア領域のライティング案件
まずは、副業のなかで自分にとってはやりやすかったエンジニアやプログラミングに関するライティング案件です。プログラミングへの注目が高まってきている時期でもあり、Javaなどの言語を習得するために行った勉強やかけた時間、つまづきポイントなどを自身の経験も踏まえながらライティングできたため、あまり時間をかけなくても案件をこなせました。
また、ライティングのなかでも専門性の高い領域であったため、1文字1.5円などある程度高い単価でスタートできます。1記事2,000文字だとして、リサーチの時間含め1時間程度で仕上げられれば時給にすると3,000円となります。
サラリーマンとして副業に初めて取り組む場合、何をしたらよいかわからないという声も多いですが、日々会社員として行っている業務などから提供できる知見や専門性を整理すると方向性が見えてくるでしょう。
この案件に関しては、たとえば週に10時間程度で10記事こなすとすると、週に3万円、月に12万円の計算になります。特にテレワークの方は本業終了後や週末で10時間程度は捻出しやすいでしょう。
ライティング案件のこなし方などについては、Youtubeにも参考になる動画があるのでぜひご覧ください。
クラウドソーシングで仕事の単価を上げる具体的な方法5選【副業初心者で月10万円】
スポーツ関連メディアでのライティング案件
エンジニア領域のライティング案件をこなしながら、ライティングの基礎なども学んでいましたが、それに加えて趣味で当ブログの運営を始めていました。元々、スポーツビジネスの領域に興味があり、色々なセミナーに足を運んでおり、そのアウトプットとして記事を作っていました。その2つの組み合わせとしてスポーツ関連のメディアへの出稿のようなこともして収入を得るようになりました。
正直、エンジニア領域の記事よりは低単価で、かつ専門性もそこまでないなかで、経験の浅い領域で案件を広げていくという「経験」を買ったような形です。先ほどのエンジニアのライティング案件の例で1文字1.5円の2,000文字案件に対して1時間程度、という目安を挙げてみましたが、この案件でいえば1文字1円・2,000文字だとして、リサーチ含め2時間かかることもあり、決して効率が良いものではありませんでした。
この領域は「投資」としての意味合いが大きかったと今になっては思います。別の記事でもご紹介している「藤原和博の必ず食える1%の人になる方法」にもありますが、ひとつの領域でトップになるのは難しいものの、100人に1人のレベルに達するのは決して難しくなく、それを3つの領域で実行するだけで「100万人に1人」の存在になれます。ただ、その「3つの領域」が近接していたらあまり意味がなく、それぞれの領域が遠くにあることで、自分の専門性や価値が「大きな三角形」になります。この本をおすすめしている西野亮廣さんでいえば、「お笑い芸人」であり「絵本作家」であり、「マーケター」でもあるのは、まさに「大きな三角形」になりますね。
藤原さんの本は、今後の人生やキャリアを考えるうえでも非常におすすめです。
個人メディア運営
次は、ズバリ当ブログの運営です。具体的には、Google Adsenseによる広告収入と、アマゾンや楽天のアフィリエイト収入です。もともとはスポーツビジネスの勉強した内容のアウトプットの場としていましたが、そのうちWebマーケティングへの興味を持ち、SEOを中心にアクセスを増やすことや、増やしたアクセスをもとに収益化する方法を独学で調べながら実践するようになりました。まだまだこれからですが、ようやく月1万円が見えてきたというレベルです。
当初はこのブログは趣味の延長でしたが、すでに紹介したライティング案件をこなすうちに、これらがあくまで「フロー型」の仕事で自分が時間を費やして稼働しない限り売上が生まれず、並行して「ストック型」の収益化ポイントも作りたいと思うようになりました。
SNSが苦手なのもあり、SEOに注力して検索流入を増やしていますが、これを通してWebでの集客にはかなり詳しくなれたかなと思います。今は、この経験を活かしてコンサルティング(といえるかはわかりませんが)やWebマーケティングに関するライティング案件などにもチャレンジしていければと思っています。
副業としてのブログについては以下の記事でまとめています。
おまけ:Uber Eatsの配達員
もしかしたら、会社員の副業としてすぐに思いつくのはプログラミングでもなく、ライターでもなく、Uber Eatsなど外食産業の配達員かもしれません。緊急事態宣言で外出や外食が制限されるなか、各飲食店も生き残りをかけてテイクアウトやデリバリーに進出したのに伴い、配達員の需要が一気に高まりました。
私は割と自転車でウロウロするのが好きだったのもあり、感染防止には気をつけながら神奈川エリアで配達員を体験してみました。オンラインで登録だけ済まし、配達用のバッグさえAmazonで購入すればすぐに配達業を開始できます。自転車あるいはバイクと体力とスマホさえあれば、空いた時間で稼ぐことが可能です。
1週間程度、本業後の平日夜や土日に頑張ってみましたが、1週間で3万円程度稼ぐことができました。毎週続けるのはかなりの体力がいりますが、気分転換も兼ねて配達するのはアリかなと思います。Twitterで情報を仕入れていましたが、副業で配達業をしている会社員も一定数おり、ある程度稼げているようでした。
また、(今は分かりませんが)1週間ごとに報酬が振り込まれるため、生活費を稼ぎたいサラリーマンの副業には向いていますね。
筆者の副業まとめ【2021年版】
相変わらずサラリーマンを続けている筆者ですが、2021年も引き続き副業もこなしています。2021年に関しては、「ライティング(業務委託)」と「ブログ運営」に絞って活動しました。
2つ合わせて、平均的に週5時間程度を副業に使っていました。月20時間程度の稼働で、だいたい月3~4万円の収入に落ち着いています。2020年と比較して副業に使う時間が大きく減ってしまいましたが、その分インプットの時間を増やせました。
2022年は、インプットした内容をブログのコンテンツにするなど、アウトプットを増やしたいと思います。
「ブログ運営」については、2021年はあまり新規記事を増やせていませんが、2020年までの記事のリライトも行い、SEOによる流入をベースとしていました。
SNSなどのプラットフォームでの発信活動も有効な手段ではありますが、サラリーマンの副業には「ストック型」が合っているように感じます。
複数の副業案件をミックスする(ポートフォリオ)
ここまで、私なりの会社員として副業にチャレンジする際の考え方や、実際の体験をそれぞれの案件について記してきましたが、必ずしも1つに絞る必要はなく、それぞれの案件やクライアントと「細く長く」続けていくのがおすすめです。
そもそも、ライティング案件にしても安定的に案件が発生するとは限らず、案件がなければ当然収入を得ることはできません。ライティングを例に挙げると、主にクラウドソーシング系のサービスを利用して案件を獲得していたため、専門性が低い案件ほど競争率が高くなります。よって、副業のなかでも複数の選択肢を持っておき、自身のスケジュールなども踏まえて案件を獲得していくことが大切です。
私の例でいえば、ある月は特定のライティング案件に絞って月10万円の副業収入を得ることもあれば、複数のライティング案件を組み合わせて一定の収入を得る月もあります。Uber Eatsにチャレンジしてみた月でいえば、ライティングの2つの案件含めそれぞれ3万円ずつ稼ぎました。
サラリーマンが安定とは限らず、副業からチャレンジを積み重ねる
サラリーマンは確かに月々安定して収入を得ることはできますが、勤めている会社が永遠に安定する保証はどこにもなく、これからは「どんな会社でも活躍していける人材」になっていく重要性が高まっていきます。「老後の貯蓄2,000万円必要」ともいわれ、副業によって収入を増やせるメリットはもちろん大きいですが、本質的には会社員として安定的に収入があるうちに副業を利用して新たな領域に挑戦し、自身の希少価値を高めることが将来に活きてくるのではないでしょうか。
フリーランスとして独立してしまえば、ある程度安定的に売上が見込める案件しか手を出せません。一方、サラリーマンとしての副業であれば、最初は多少報酬が低くても今後チャレンジしたい領域であれば手を出しやすいです。
その意味で、サラリーマンという立場を最大限活かしながら副業を活用してスキルを伸ばす・横展開するといった選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
森岡毅さん著のおすすめ本を一挙にご紹介
今回は、日本を代表するマーケターのひとり・森岡毅さんの本を一挙にご紹介します。マーケティングに関する本が多いですが、キャリアやリーダーシップに関する著書もあります。
森岡毅さん著の本をご紹介
P&GやUSJで数々の実績を残し、現在はマーケティングの精鋭集団「刀」を率いる森岡毅さんの本は大きく分けて「マーケティング」「キャリア」「リーダーシップ」の3つの分野があります。
マーケティング
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門 (角川書店単行本)
まずは、マーケターやマーケターを目指す方であれば必読書といえるこの本。P&Gからマーケティング責任者としてUSJに転職した森岡毅さんが、低迷していたUSJを立て直した「リアル」が描かれています。
まずはUSJが低迷していた本質的な理由を分析し、その分析に基づいてマーケティングを軸に組織横断で改革を断行します。USJ改革の裏側を通じ、マーケティングに欠かせない「戦略」や4Pといった「戦術」を学べます。
USJの象徴とされる「ハリーポッター」だけではない、マーケティング改革の数々を通じ、自身の仕事に活かせることをたくさん発見できる本です。
「日本一わかりやすいマーケティング入門書」との呼び声も高く、私も森岡毅さんの本から敢えて1冊オススメするとしたらこの本を挙げます。
USJ再生の鍵は、やはり優れた戦略にありました。「良い戦略、悪い戦略」の本では良い戦略の条件として「診断→基本方針→行動」の順につながっているとしていますが、USJに当てはめてみるとこのようになります。
この本の感想は以下の記事にまとめています。
「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」から学ぶ3つのコト - スポビズ研究所
USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? (角川文庫)
USJの劇的な改革の裏側には、無数のプロジェクトの成功があります。低迷していたこともあり、予算が厳しく制限されるなか、顧客目線のアイデアの数々で成功を積み重ねたUSJ。
本書では、「後ろ向きのジェットコースター」をはじめ、森岡毅さんがマーケティング思考を活かし、どのように斬新なアイデアを絞り出し、V字復活に導いたかがリアルに描かれています。
確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 (角川書店単行本)
マーケティングを軸にしたUSJの劇的な復活を、数学的な視点から非常に詳しく解説されているのが本書です。同じくP&Gで活躍した今西氏との共著で、体得してしまえばすぐにでも自社のマーケティングに活かせる実践書です。
マーケティング初心者にはやや難しく本格的な内容となっているため、マーケティングの基本を押さえてから読むことをオススメします。
USJをV字回復させた森岡毅の実戦マーケティング3部作【3冊 合本版】 (角川文庫)
電子書籍限定ですが、ここまでにご紹介した森岡毅さんとUSJ・マーケティングに関する3冊の内容が1冊にまとめられた本もあります。
マーケティングとは「組織革命」である。
マーケティングとは、商品やサービスが売れ続ける仕組みを作ること、と定義できます。つまり、売れるような商品・サービスの開発から、実際に顧客に届け、リピートしてくれるまでのプロセス全てがマーケティングなのです。
よって、マーケティング部門・部署だけがマーケティング的な考え方を持ち、実行していても成果につながるとは限りません。
本書は、組織の壁を超えてマーケティングで組織そのものを変革してきた森岡毅さんが、「マーケティング」と「組織」について解説しています。
USJで実践した数学マーケティング DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文
森岡毅さんがUSJをV字回復させた数学マーケティングは、本だけでなく論文としても寄稿されています。電子書籍化もされているので、数学を用いて顧客心理を分析する手法を詳しく学びたい方におすすめです。
キャリア
苦しかったときの話をしようか
華々しいキャリアを誇る森岡毅さんも、ずっと順調な社会人生活を送ってきたわけではないそうです。かかってくる電話が怖くなるなど、精神的に苦しくなったことも。
そんな森岡毅さんが、お子さんのために就職やキャリアなどについて書き溜めていた文章を本にしたのがこちらです。マーケターとして、あるいはビジネスパーソンとしてキャリアに悩む方にオススメです。
リーダーシップ
誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命
「リーダーシップ」は、生まれ持った才能のような印象を持っている方も多いかもしれません。しかし、森岡毅さんは本書で「リーダーシップは後天的に習得できる」としています。
コロナ禍でこそなお求められる、自分や他人を活かすための「リーダーシップ」 を体系的に理解し、習得したい方にはオススメの本です。
森岡毅さんの本と併せて読みたい本
体系的かつ実践的な学びのある森岡毅さんの本ですが、特にマーケティング分野で一緒に読むのがおすすめ本をご紹介します。
それぞれの本で表現は違えど、本質ではつながってくると実際に読んでみて感じており、単なる知識に「奥行き」が生まれるのを感じると思います。
ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム
人々がなぜそのプロダクトを「雇用」するのかを明らかにするのが「ジョブ理論」で、再現性のあるプロダクト開発に役立ちます。
森岡毅さんの言葉でいえば、「ジョブ」は「What」に近いものを感じます。USJとしてどんな「What」を提供するか、これをより解像度高めて共通認識を持つために「ジョブ」に目を向けます。
たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)
こちらは、森岡毅さんの著書でも上げていた「消費者視点」を取り入れるためのより実践的な内容となっています。
マーケティングというと数字を眺めて分析する、という側面もありますが、それはあくまで「検証」であり、有効な仮説を持つには一人の顧客(N1)と向き合う重要性と具体的手法・フレームワークを解説しています。
森岡毅さんについて
マーケティングといえば森岡毅さんというイメージも強いと思いますが、P&GのブランドマネージャーやUSJのマーケティング責任者などを経て、現在はマーケティングの精鋭集団である「刀」を設立。
「マーケティングで日本を元気に」というミッションを掲げ、様々なプロジェクトにマーケティングのプロフェッショナルが携わっています。
新卒でP&Gに入社した森岡毅さん
1996年に神戸大学経営学部卒業後、グローバル消費財のP&Gに入社。P&Gはマーケター輩出企業としても有名です。「P&Gマフィア」といわれていますね。
P&Gでの話は特に『苦しかったときの話をしようか』でも語られていますが、特に最初の方は苦労もしながら、パンテーンのブランドマネージャー等も歴任しています。ビジネスマン、マーケターとしての礎はP&Gで構築されたといえるでしょう。
森岡毅さんといえば「USJ」。ヘッドハンティングで入社
P&Gでの実績もさることながら、森岡毅さんといえばUSJ復活の立役者。ヘッドハンティングでマーケティング責任者として迎え入れられます。
入社後、限られた予算のなかで「顧客視点のマーケティング」をベースに次々とプロジェクトを成功させます。このあたりは著書で存分に語られているので、是非チェックしてみてください。
マーケティング精鋭集団「刀」を設立
USJの立て直した後、USJを退社してマーケティング精鋭集団「刀」を設立した森岡毅さん。変化の激しいビジネス環境のなかでマーケティングを武器にしてほしい、という大義が込められています。
丸亀製麺や沖縄のテーマパーク、西武園など「森岡メソッド」を注入したマーケティングで大型プロジェクトを次々と展開しています。
Newspicksでは、森岡毅さんが「刀」で手掛けたプロジェクトについて詳しくインタビューしています。
その他にも、森岡毅と「刀」についての記事が出ています。
【森岡毅】沖縄テーマパークの「勝算」。刀が描く日本の未来戦略
森岡毅さん率いる「刀」での代表的な取り組みに「丸亀製麺」のプロジェクトがありますが、動画になっているので是非ご覧ください。
【森岡毅】丸亀製麺を復活させた、刀の実戦マーケティング戦略
森岡毅さんと「戦略」
森岡毅さんといえば「マーケター」というイメージが強いですが、同時に優れた「戦略家」でもあります。実際、著書のなかで「戦略」について紙面を割いて解説しています。
マーケティングを行う前提として「戦略思考」が欠かせないことの裏返しともいえるでしょう。戦略の本については以下の記事もご覧ください。
「戦略」おすすめ本をご紹介!この6冊で戦略思考を習得 - スポビズ研究所
それでは、森岡毅さんの本をまとめてご紹介します。
森岡毅さんから学ぶ、マーケターとして必要なこと
本記事でご紹介した著書にあるようなことも森岡毅さんの熱意のこもった説明から改めて学べます。
・弱みは強みにならない
・数学は「熱いハート」の暴走を防ぎ、客観性をもたらしてくれるツール
・「本能」を理解し、本能に訴える
などなど、学びの多い回だったのですが、何よりも印象に残ったのは森岡毅さんの「プレゼン」。心からそう思っているからこそ伝わる、分かりやすく熱の帯びた話ぶりが、多くの関係者を巻き込めている要因だと感じます。
これはまさに「消費者視点」でプロダクトをドライブするうえで欠かせない点ですね。
『PHP入門』初心者向けおすすめ本・参考書|7選
PHPは、特にWebサイト構築でよく使用されているプログラミング言語です。
新卒からエンジニアとしてキャリアを積み、JavaやPHP、Pythonなどの言語を扱ってきた筆者が、PHP初心者におすすめ本・参考書を紹介します。
- PHP初心者におすすめの本 TOP3を厳選
- PHP入門・初心者向けのおすすめ本
- PHPの本をKindle Unlimitedで覗くこともできる
- PHPがおすすめな理由
- プログラミング初心者におすすめの本
- PHPに限らずエンジニアとして読むべき本もご紹介
- PHP初心者におすすめの学習サイト
- PHPを習得して、理想のキャリアや働き方を
PHP初心者におすすめの本 TOP3を厳選
結論ファーストで、まずはPHP入門におすすめの本 TOP3を厳選しました。
- スラスラわかるPHP
- よくわかるPHPの教科書
- 誰もがあきらめずにすむPHP超入門
それぞれ、以降のパートでご紹介しています。
いずれも、PHPに限らずプログラミングを始めて学ぶ方に適した本です。読みやすいのはもちろん、具体例や図が豊富で視覚的に理解でき、実際にコードを書きながら学べます。
PHP入門・初心者向けのおすすめ本
それでは、本記事のメインである初心者向けのPHPおすすめ本をご紹介します。
誰もがあきらめずにすむPHP超入門
タイトルの通り、最初の一冊に適した本です。PHPに限らず、プログラミングは特に独学の場合は挫折しやすい側面もありますが、まずはPHPの楽しさを感じながら学習を進めるには非常におすすめです。
いきなりはじめるPHP--ワクワク・ドキドキの入門教室
こちらも、プログラミング初心者に人気の本。初心者がつまづきやすいポイントや、環境構築などもしっかりとカバーしてくれます。データベースも含め、体系的かつ分かりやすく解説しているPHPの入門書です。
スラスラわかるPHP
初めてプログラミングを学ぶ人向けの「スラスラわかる」シリーズのPHP版です。プログラミングやPHPの知識が全くなくても、学習を進めやすいように本書は設計されています。
この本を読み終えるころには、簡単なPHPのプログラミングを自力で作れるようになるでしょう。
独習PHP 第3版
PHPに限らず、プログラミングの学習書のなかで、独学の方に人気の「独習シリーズ」のPHP版。最新のPHP7に対応した内容で、PHPコードを書くうえでの基本に加え、Webやアプリケーションの仕組みも詳しく解説。
データベースやセキュリティも網羅されており、教科書的な一冊でもあります。
詳細!PHP 7+MySQL 入門ノート
プログラミングの初心者というより、他のプログラミング言語は経験があるが、PHPは初めて、という方におすすめの一冊。バージョンアップした最新のPHPの内容をカバーし、図解も交えて分かりやすく解説している本です。
よくわかるPHPの教科書 【PHP7対応版】
初めてのPHPを学ぶ方だけでなく、かつてプログラミングやPHP学習で挫折した経験のある人に向けて出版された、PHPの「教科書」です。やさしい言葉で説明されており、プログラミングやPHPに難しいイメージを持っている方でもスイスイ読み進められるでしょう。
プログラミングPHP 第3版
ボリュームが多く、読み進めるのが少し大変ですが、この本を理解できれば、自分でPHPのWebアプリケーションを設計し、実装するところまでできるようになるでしょう。
PHPを網羅的に学習したいかたには非常におすすめの一冊です。
PHPの本をKindle Unlimitedで覗くこともできる
本記事でこれからご紹介するPHPの本・参考書がおすすめではありますが、特にPHPの習得を検討している初心者・入門者の方にとって、いきなり書籍を購入するのは勇気がいるかもしれません。
そんな方におすすめなのは、Kindle Unlimitedです。初めて会員になる場合、無料体験期間もあるので、タイミングにもよりますが以下のような本を無料で読むことが可能です。
- これ1冊でゼロから学べる Webプログラミング超入門 ーHTML,CSS,JavaScript,PHPをまるごと
- PHP入門 確認画面付きのお問い合わせフォームをつくりながらPHPを学ぶ
- PHP独学 超入門: PHPを勉強してみたいけど時間が取れないあなたへ
費用を抑えつつ、気軽にPHPについて学びたい方はKindle Unlimitedのお試し利用もおすすめです。
PHPがおすすめな理由
プログラミング言語は、PHPに限らずさまざまな言語があります。そのなかでもPHPがおすすめなのは、ECなどの身近なインターネットサービスの開発でよく使われているからです。
つまり、PHPを習得するだけで多くの開発案件に対応できるようになります。どちらかといえば、小規模から中規模のWebサイト構築に適した、シンプルなプログラミング言語がPHPです。
その他のおすすめなプログラミング言語
まずは、近年のデータ活用の流れも踏まえPythonがおすすめ。データエンジニア・データサイエンティストの需要が急激に伸びています。
『Python入門』初心者向けおすすめ本・参考書|10選 - スポビズ研究所
よりバックエンド寄りのエンジニアを目指すなら、Javaがおすすめ。プログラミング言語のなかでも最も使われているうちのひとつで、Javaさえ習得できれば他の言語のキャッチアップもしやすくなるでしょう。
『Java入門』初心者向けおすすめ本・参考書|10選 - スポビズ研究所
プログラミング初心者におすすめの本
PHPは人気のプログラミング言語ではありますが、あくまでシステムを開発する手段のひとつです。また、技術の変化が速いため、特定の言語によらない技術力がエンジニアとしての市場価値にも影響します。
その意味でも、PHPの前にプログラミングの基礎から抑える勉強法もおすすめです。プログラミング全般や基本的な考え方を学ぶうえで有用な本をご紹介します。
おうちで学べるプログラミングのきほん
本だけでは理解しづらい・・・という方のために、パソコンで手を動かしながら実践的にプログラミングを学べる本です。
改訂3版 これからはじめるプログラミング 基礎の基礎
コードやプログラミングだけでは理解が進まない初心者のために、身近なもので例えながら解説してくれる本です。最新の技術にもキャッチアップでき、おすすめです。
プログラミング入門講座――基本と思考法と重要事項がきちんと学べる授業
プログラミングで身に付くスキルは、コーディングだけに留まりません。世の中の様々な局面でも応用できる考え方も一緒に習得できる本です。
ちゃんと使える力を身につける Webとプログラミングのきほんのきほん
生活のなかでもたくさん接するWebを題材としてPHPなど言語問わずプログラミングに共通するエッセンスを学べる本です。Webを題材としているので、PHPに活かせる内容も多く含まれます。
PHPに限らずエンジニアとして読むべき本もご紹介
PHPエンジニアとして仕事をしていくうえで、コードを書けるだけでは不十分です。プロジェクトのなかで、他のメンバーと協働していく必要があったり、プログラミング以外の様々な工程の業務もあります。
他の人が読んでもわかるようなPHPコードを書いたり、プロジェクトの全体像を理解してうえで、自身の仕事に取り組むことが重要です。そのうえで、まずは以下の2冊がおすすめです。
ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの新人研修 第3版 エンジニアになったら押さえておきたい基礎知識
新人研修を想定した本で、開発プロジェクトがどのようなプロセスを踏むのか、一連の流れを理解できる本です。これを読めば、エンジニアとしてキャリアを積むうえで、PHPなどのプログラミング技術がいかに一部であるかが感じられるでしょう。
リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック
PHPに限らず、プログラミングはコードを書いた本人だけが分かれば良いのではなく、他人が読んでも分かりやすいコードであることが非常に重要です。
なぜなら、大きなプロジェクトやシステムであるほど、チームで動くものであり、コードのレビューや複数でのコーディング、あるいは引き継ぎなどは可読性が高いコードであるほど効率が上がります。
本書では、PHPなど言語を問わずより分かりやすいコードの書き方やその考え方をシンプルに説明してくれます。
PHPの勉強を始めると同時に手にとってほしい一冊です。
PHP初心者におすすめの学習サイト
最近はインターネットを活用してPHPを学習することもできます。初心者のなかにも、いきなり本だとハードルが高いと感じる人もいるでしょう。そこで、PHPの学習におすすめのサイトをいくつかご紹介します。
Progate・PHPコース
開発環境を用意することなくPHPのコードをWeb上で書きながら知識や技術を習得できるサービスです。
PHPの全てのコースを受講するには有料会員となることが必要ですが、無料でも一部レッスンを受けられます。自分のペースで気軽に学べるので、本を買って本格的にPHPを学ぶ前に、一度Progateで試してみるのもよいでしょう。
PHP | プログラミングの入門なら基礎から学べるProgate[プロゲート]
ドットインストール・はじめてのPHP
こちらもPHP初心者にうってつけの学習サイトです。数分間の短い動画(解説や実演つき)を見ながらPythonを学ぶことができます。1つの動画が短く、移動中などでもさくっと勉強できるのもありがたいポイントですね。受講者からの質問や回答も閲覧でき、PHP学習のつまづきポイントもチェックできます。無料公開されており、初めての方は覗いてみることをおすすめします。
はじめてのPHP (全12回) - プログラミングならドットインストール
Udemy 「基礎だけ学ぶ PHPプログラミング講座」
プログラミングに限らず、世界最大級のオンライン学習プラットフォームであるUdemyにはPHPの講座も豊富にラインナップされています。そのなかでも、「基礎だけ学ぶ PHPプログラミング講座」がおすすめです。
一般的なプログラミングスクールのように高額な初期費用は不要で、受講したい講座を選択できます。30日間返金保証付きです。
Online Courses - Learn Anything, On Your Schedule | Udemy
PHPを習得して、理想のキャリアや働き方を
リモートワークが業種問わず広がってきていますが、PHPエンジニアは特にリモートワークといった柔軟な働き方がしやすい仕事といえます。一方、数あるプログラミング言語のなかでもシンプルで習得しやすい言語と筆者は感じています。
本記事でご紹介したようなPHPの入門書を手始めに、PHPエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。
UXも考慮できるPHPエンジニアに!
「ノーコード革命」といった言葉があるように、プログラムを書けるだけだとAIやツールに将来的に代替されてしまう可能性もないとは言い切れないでしょう。そこでおすすめなのが、単なるPHPの「作り手」ではなく、ユーザー目線からあるべき実装を考えられるエンジニアです。
私が勤める会社でも、そのようなエンジニアは言語問わず重宝されています。ユーザー・エクスペリエンスを念頭に置きながらシステムの設計を考え、マーケターやディレクターと会話できるエンジニアは貴重です。
PHPの言語だけでなく、UXも学んでみてはいかがでしょうか?
【UX/UIデザイン】初心者向けおすすめ本 6選|2021年最新版 - スポビズ研究所
スポーツ産業のデジタル化・DXまとめ
コロナ以前から、スポーツ産業でも様々な分野でデジタル化が進んでいましたが、コロナで試合開催や観客動員に制限がかかるなか、デジタル化・DXが加速しています。
本記事では、スポーツ産業におけるデジタル化を一気にまとめます。
スポーツ産業全般については以下の記事でまとめているので、こちらも合わせてご覧ください。
スポーツ産業とは?成長性が期待されるスポーツ産業 - スポビズ研究所
スポーツ産業・デジタル化の大まかな流れ
まずは、デジタル化・DXの大まかな流れから。
日本で最もメジャーなプロスポーツであるプロ野球を例に取ると、インターネット普及とともに2000年代には各球団のWebサイトが立ち上がり、ファンとの接点がテレビやスタジアムといったアナログだけでなく、デジタルな接点もできました。
2010年代には、日本全体でもSNSの普及が一気に進み、プロ野球チームとしては活用が始まるまでに時間はかかりましたが、今では各球団が積極的にSNSを活用し、ファンのエンゲージメントを高めています。
また、同じくらいのタイミングでチケット販売でも電子チケットの導入が徐々に広がっています。
近年ではスポーツ中継もTV中心からネット中心に変わってきています。DAZNやパ・リーグTVを中心に、OTTサービスが広がったことで、好きなチームのあらゆる試合を家庭内でチャンネル争いすることなく楽しめるようになっています。
2020年代からは、NFT(非代替性トークン)の活用もスポーツ産業全体としては広がり始めています。スポーツが持つ「リアルタイム性」「メモリアル性」といった特徴と非常に相性が良く、コロナで苦しいビジネス環境のなか、注目されている技術です。
スポーツ産業の各分野におけるデジタル化
ここからは、スポーツ産業のコアとなる各領域におけるデジタル化・DXについて詳しくご紹介します。
ファンとの接点・ダイレクト課金
ファンとの接点のデジタル化という観点では、従来のスタジアムに加えてデジタル接点でファンとつながる時間や深さが増大しているといえます。
試合や練習の裏側や選手の素顔などもコンテンツ化することで、試合観戦時以外でのつながりをファンは感じることができます。コロナで試合観戦自体が制限されるなか、SNS活用の重要性が高まっています。
また、よりビジネス観点ではスポーツ産業の新しい潮流として「ダイレクト課金」が挙げられます。よりコアなファンに向けたチームや選手のコンテンツをサブスクリプションサービスとして配信している球団やクラブも増えています。
このようなサービスもデジタル化のひとつとして捉えられるでしょう。
チケット販売・入場管理
大きくは電子チケットの普及が挙げられます。チケットを紛失するリスクもなくなり、顧客情報も取得しやすくなり、マーケティングに活用できます。入場管理も電子チケットであれば人件費を削減でき、実際にどの顧客が来場したかを把握できます。
また、インターネット上で販売することで、座席からの眺めのイメージを確認したうえで、座席指定も可能になってきています。これもデジタル化のひとつといえるでしょう。
さらには、「ダイナミックプライシング」も顕著なデジタル化の例です。従来のアナログな販売であれば、各チャネルでの販売状況をリアルタイムで一元管理できませんが、デジタルの活用により、全チャネルでの販売状況やその他の先行情報からリアルタイムでのプライシングが可能になってきています。
ライブ中継
冒頭でも触れたインターネットでのスポーツ中継はスポーツ産業のデジタル化の大きな事例となっています。地上波などの限られたチャンネル数では見られなかった試合も今では当たり前のように観戦できます。
さらに、5Gを通じて映像自体もリッチになっています。いわゆる「マルチアングル」として、自分の見たいアングルを指定したり、複数のアングルで同時に楽しむこともデジタルならではの楽しみ方です。
グッズ販売
グッズの製品自体というより、売り方がデジタル化によって大きく変化しています。ECの活用により、見込み生産だけでなく「受注生産」が可能になりました。つまり、注文を取るだけ取っておき、後日配送で対応できます。
これにより、特にメモリアルなグッズをリスクヘッジしながら攻めた販売が可能です。予めグッズのデザインだけ制作しておき、記録達成の瞬間から販売を開始し、ファンの熱が高い状態で多く注文を受けられるのです。
さらに、最近注目されているのがNFTの活用です。メモリアル性をNFTによって保証し、価値をつけることで新しい収益源としても注目されています。NBAの高額取引が以前ニュースになりましたが、プロ野球でもNFTの導入が始まっています。
人気急騰中のデジタルトレカ「NBA Top Shot」の高額取引ランキングトップ5 | バスケットボールキング
西武ライオンズとパシフィックリーグマーケティング、日本プロ野球界初のNFT商品を9月7日(火)より販売開始|パシフィックリーグマーケティング株式会社のプレスリリース
パフォーマンス分析/データ活用
スポーツ産業のデジタル化は、ビジネス面だけではありません。選手にも大きな恩恵があります。
「トラックマン」といった形でよく紹介されていますが、選手の動きを綿密に測定し、パフォーマンス改善につなげやすくなりました。あらゆる動きが数値化されることで、課題を発見しやすくなっています。
また、相手選手やチームの分析にもデータ分析が活用され、プロ野球チームでも「戦略室」といった部隊が設置されるようになっています。
これらのデータは、試合中継などでコンテンツ化することも可能で、コアなファンにとっては楽しめるデータも多くなっています。
デジタル化がスポーツ産業を救う?
言うまでもなく、コロナの影響でスポーツ産業全般が大きな打撃を受けています。ファンの行動も制限されるなか、各球団やクラブが探り探りで新たなサービスを模索しています。
従来のチケットを中心とした収入にメドがつかないなか、デジタル化の潮流をうまく活かし、デジタルサービスの成否が今後のスポーツ産業の大きな分かれ目となるかもしれません。
合わせて読みたい
成熟市場にこそ必要な「顧客起点マーケティング」とは
情報やモノが溢れ、商品やサービスの機能面だけで差別化がしづらくなった現代。競合も多く、業界を超えた競争が激しくなっています。
そんな時代だからこそ求められる「顧客起点マーケティング」についてご紹介します。
「顧客起点マーケティング」とは
顧客起点マーケティングとは、ざっくりいえば「たった一人の顧客の分析からプロダクトやコミュニケーションのアイデアを創出すること」です。デジタルな手段が発展し、様々なデータが取れる反面、顧客を数字として見なし、その背景にある心理や文脈を見落としがちです。
顧客起点マーケティングでは、大量の定量的データではなく、一人の顧客に対して徹底的に分析を行い、商品やサービスのファンになってもらうための施策につなげます。
この考え方自体は、スマートニュースを大きく成長させた立役者・西口氏が以下の本で提唱し、今では多くのマーケターが知るところでしょう。
9セグマップによる顧客起点マーケティング
顧客起点のマーケティングを実践していくうえで鍵となるフレームが「9セグマップ」による顧客分析です。9つのセグメントは、以下の3つの軸によって分類できます。
- プロダクトへの認知
- 購入経験/頻度
- 次回の利用意向
なぜ、このように分ける必要があるかといえば、どのセグメントに属しているかによって打ち手や訴求内容が変わってくるからです。また、顧客分析を行う際の視点も大きく変わってきます。
たとえば、「積極ロイヤル顧客」に対してであれば認知や購入に至ったきっかけ、そのプロダクトを使用し続けている理由などを聞くことで一般顧客や離反顧客に対するアプローチに活かすことができます。
一方、そもそも「未認知」の顧客に対して、そのプロダクトについて質問しても有効なインサイトは得られません。その場合、同じニーズに対して別のどのプロダクトに触れているのか、その理由などを探ります。
競合や市場分析にも効果的な9セグマップ
9セグマップは、自社の顧客に対してだけでなく、競合や市場全体を俯瞰的に分析するのにも活用できるフレームワークです。
9セグマップに時間軸を加えて定期的に分析することで、どの競合に顧客を奪われているかを推測できます。次回購入意向(ブランド選好)が低迷しているのであればブランディング起因、購入経験有り/頻度が低迷している場合は販促、というように分析に活かせます。
「プロダクトアイデア」と「コミュニケーションアイデア」
顧客起点マーケティングを推進するうえで、「プロダクトアイデア」と「コミュニケーションアイデア」分けて考えることが重要です。
9セグマップにより顧客をセグメントし、それぞれの顧客に対してインサイトを深堀りしていきますが、その目的はプロダクトの開発や改善です。そのための「アイデア」を考えるうえで、西口氏は「便益」と「独自性」の視点を挙げています。
CMを例に出すと、面白おかしく視聴者の印象に残るものの、商品について頭に入ってこないCMは「独自性」はあるものの商品の便益につながっていないCMとなります。商品についても、いくら「独自性」があっても明確な「便益」がなければ売れません。
「プロダクト」そのものと「コミュニケーション」に分けて「便益」と「独自性」の観点からアイデア創出につなげます。
「プロダクト」と「コミュニケーション」のバランス
売り手としては「良い物」を作っているつもりなので、売上が伸びない原因を「コミュニケーション」にあると考えがちです。しかし、顧客起点マーケティングによって顧客目線で「プロダクト」と向き合えば、「プロダクト」自体の改善につなげられます。
その結果、「独自性」も「便益」も備わったプロダクトを開発できれば、「コミュニケーション」としては「独自性」にこだわらず、「便益」をストレートに伝えるだけで十分な成果につながるでしょう。
スマートニュースの「顧客起点マーケティング」
最後に、具体例を1つご紹介します。
スマートニュースはいわゆる「ニュースアプリ」ですが、西口氏が入社した際にはすでにコモディティ化していたと言います。よって、ニュースアプリ自体の便益を訴求しても効果はないと考え、スマートニュースならではの「独自性」を探ります。
一人の顧客に対して深い分析を行った結果、特に外資系企業のビジネスパーソンが海外の記事を英語で読めることに対して価値を感じていることが分かります。そこで、「ニュースを読めるだけでなく、そのまま英語を勉強できる」ことを独自性としてコミュニケーションを展開し、ダウンロード数を大きく伸ばしました。
これは、いわゆる「定量調査」だけを行っていれば発見できなかったインサイトと言えるでしょう。
マーケティングを立体的に学ぶ
今回ご紹介した「顧客起点マーケティング」は、どちらかといえば顧客分析・インサイト発掘にフォーカスされた実践書です。「マーケティング」という莫大な分野を学ぶには、下記記事で取り上げたような本も併せて学ぶのがおすすめです。
これらの本に書かれている「共通点」と「相違点」を意識しながら理解を深めることで、マーケティングの知識が立体的かつ構造的に整理できます。
『マーケティング本』初心者におすすめの13冊|2021年最新版 - スポビズ研究所
アナロジー思考とは?新しいアイデアを生み出す考え方
「アイデア」の出し方で悩んだ経験のある人も多いのではないでしょうか。いきなり新しいアイデアを思いつくのは難しいですが、「既存のアイデアのかけ合わせ」と捉えると少しハードルは下がります。
それでも、何をどのようにかけ合わせるべきか、いまいちピンと来ないことも多いでしょう。
そこでヒントになるのが本記事で取り上げる「アナロジー思考」です。
アナロジー思考とは?
アナロジー思考とは、異なる世界の構造や関係性から類推を行うことで、自らが解決したい対象について仮説を構築するのに役立つ思考です。
「異なる世界」とは、例えば自身が企業の予算管理を担当していて、部署としてのあるべき予算管理を考える際、「カバン」の構造からヒントを得たりします。カバンにもスペースが細かく仕切られているものもあれば、仕切りが全くないものもあります。
両者におけるメリット・デメリットを整理することで、予算管理のあり方に対する示唆を導けます。予算管理に閉じて考えるのと比較して新しい発想や発見を生み出せるのが「アナロジー思考」の特徴です。
アナロジー思考が求められる理由
モノや情報に溢れ、機能面で競合との差別化が難しい時代といわれています。また、デジタルを中心としたテクノロジーが発達し、従来の「競合」と考えていた企業以外にも意識を向ける必要があり、業界の壁もあまり意味をなしません。
同じ業界の成功事例を真似るだけでは、その業界の同質化が進み、価格競争に陥るだけになりかねません。逆に、全く関係のない業界の成功事例を分析し、構造的な類似点を見つけることで、自社に活かせるポイントを見つけられます。
従来の延長線上では顧客を満足させるのが難しい現代において、強力なツールとなるのが「アナロジー思考」なのです。
いちビジネスマンとしても「アナロジー思考」で差別化を
情報がネット上に溢れ、素人でも少し調べればあらゆる情報を手に入れられます。つまり、「知識」だけでは他者と差別化が図りづらく、そもそも知識自体もAIに代用される可能性が高くなっています。
一方、情報を鵜呑みにするだけで「咀嚼」できていない人が多いのも事実で、アナロジー思考によって「1を知って10を知る」ことで飛躍的に成長できる可能性を高めてくれます。
アナロジー思考には「抽象化」が欠かせない
アナロジー思考では、一見して関係のない事柄から構造的な類似点を見つけ、自身が解決したい課題に当てはめることが必要です。つまり、構造的な類似点を見つける能力がなければ、アナロジー思考のスタートラインにすら立てません。
そして、構造的類似点を見つけるのに欠かせないのが「抽象化思考」です。
抽象化思考はざっくりいえば枝葉を捨ててシンプル化し、シンプル化された要素同士の関係を構造化することです。抽象化の一例としては、「動物→生き物」のように上位概念で考えることで一見異なるものに共通点を見出します。
また、極論して考えたり2項対立化したりすることで、目的に合致した本質的なポイントを抽出します。
抽象化思考を身につける手っ取り早い方法は、「たとえ話」のトレーニングをすること。たとえ話をするには、解決したい課題に対する適切なベース領域と抽象度を選定する必要があります。
日々、目の前にある事象などからたとえ話の関連をすることで、自ずと抽象化思考力がアップするでしょう。
思考力アップのための本は細谷功さんがおすすめ
今回ご紹介した「アナロジー思考」を始め、その基本となる「具体と抽象」の概念など細谷功さん著の本でより広く深く学べます。
以下の記事にまとめているので、こちらもご覧ください。
『プロセスエコノミーとは?』理解が進むおすすめ本
近年、「プロセスエコノミー」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか?コロナの激動の時代のなか、「プロセスエコノミー」を起点としたビジネスモデルが増えています。
本記事では、「プロセスエコノミー」の理論や実践を理解するためのおすすめ本をご紹介します。
「プロセスエコノミー」とは?
プロセスエコノミーとは、言葉の通り「プロセス」で成り立つ経済のことです。ビジネス文脈でいえば、商品やサービスの「プロセス」をお客様に売ることを指します。
「プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる」 の編集者である箕輪厚介さんがVoicyで詳しく解説していたので、ご参考までに。
プロセスエコノミー解説1 | 箕輪 厚介「ミノトーーク!」/ Voicy - 音声プラットフォーム
プロセスエコノミー2 | 箕輪 厚介「ミノトーーク!」/ Voicy - 音声プラットフォーム
プロセスエコノミー3 | 箕輪 厚介「ミノトーーク!」/ Voicy - 音声プラットフォーム
なぜ、「プロセスエコノミー」か?
プロセスエコノミーがここまで注目されるようになってきたのには理由があります。
まずは、SNSやインターネットの発達でサービス提供者と消費者がダイレクトにつながるようになったこと。ダイレクトに発信できることで、最終形の商品やサービスだけでなく、その「プロセス」も公開できるようになりました。
次に、「サブスクリプション」との親和性も関係しています。サブスクリプションといえば、「定期的な収入」というイメージも強いですが、本質的には消費者との接点の増加がポイントです。
接点が増えれば、当然ながら「プロセス」を存分に発信できます。
最後は、「プロセス」の希少価値が非常に高いことです。プロセスエコノミーを代表する一人である西野亮廣さんがよく「宮崎駿が作品を作るライブ映像を定点で視聴できれば、高いお金を払っても買う」と言っています。
作品は一度公開されてしまえば、見られ続ける限りは時間が過ぎても巡り合うことができます。しかし、作品が生み出される瞬間は、一度しかありません。「プロセスエコノミー」は、希少価値をファンに届けるのと引き換えに、大きな売上につながる可能性を秘めています。
オンラインサロンで感じる「プロセスエコノミー」
「西野亮廣エンタメ研究所」では、2020年でいえば映画「えんとつ町のプペル」の制作やマーケティングを進めるプロセスを覗くことができました。
コロナという逆風、メジャー作品と比較して知名度の低い作品をどう届けるのか、リアルタイムで見たいという人も多かったようで、映画公開直前から公開後にかけて、急激にサロン会員が増えていました。
本人としても、サロンの会員数は安定的に結果を残している時より、大きな挑戦を仕掛けている時にたくさん増えるとVoicy等でコメントしています。まさに「プロセスエコノミー」の価値の高さを表しているのでしょう。
「プロセスエコノミー」がお金の流れを変える
ビジネスをするうえで、お金の流れを設計することが重要です。しかし、予算は限られており、よほどの大資本がない限り予算だけで他の作品を大きく超えるのは難しいでしょう。
しかし、プロセスエコノミーを活用し、作品が完成する前から売上を見込むことができれば、予算の組み立て方が変わってくるでしょう。競合が完成品の売上で経営を成り立たせているのであれば、たとえばプロセスエコノミーで一定の予算を作り、広告に莫大な投資をする、といった戦略も可能です。
また、作品を作るプロセスを売れるのであれば、世間にニーズに合わせた「完成品」に囚われる必要がなくなります。「自分が作りたい作品」に傾倒できるため、結果的にユニークな作品となり、完成品としても評価されることもあるでしょう。
プロセスエコノミーのおすすめ本
前置きが少し長くなりましたが、大きな可能性を秘めたプロセスエコノミーを学ぶおすすめ本をご紹介します。「プロセスエコノミー」を体系立てて説明している本はまだありませんが、その本質の理解に参考になる本です。
【7/28 発売予定】プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる
2021年7月末には、IT評論家の尾原和啓氏が「プロセスエコノミー」と題した本を出版する予定です。
「プロセス」がどんな価値があり、人々が共感するメカニズムから具体的な実装方法まで、体系的にまとめられるようです。
けんすう氏や西野亮廣氏とも親交が深く、理論・実践に精通している尾原氏が、プロセスエコノミーをどのようにまとめるのか、楽しみですね。
ちなみに、この本自体も「プロセスエコノミー」を活用して進めているようです!予約開始に際し、著者・尾原和啓さんと編集者・箕輪厚介さんによる対談動画も公開されています。
革命のファンファーレ 現代のお金と広告 (幻冬舎単行本)
まずは、「プロセスエコノミー」が代名詞でもある西野亮廣さんの著書。オンラインサロンでは、2020年に公開された「映画 えんとつ町のプペル」のプロセスをサロン限定で公開。映画制作をプロセスとして売ることで、オンラインサロンの売上を映画の宣伝に使っています。
プロセスエコノミーに不可欠な「信用」についてもわかりやすく解説。プロセスエコノミーを軸にビジネスを成長させたい方には必見の一冊です。
人生の勝算 (幻冬舎文庫)
「メモの魔力」で知られる前田裕二氏の著書。「SHOWROOM」というライブ配信プラットフォームも、プロセスエコノミーを体現できる場を提供しています。
前田氏の原体験そのものが「プロセスエコノミー」の本質に触れているように感じました。ぜひ、この本は手に取ってみてください!
ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書)
ファンベースとは、ファンを大切にして中長期的に売上や事業価値を高める考え方です。その手段のひとつとして、ファンに表裏なく企業の内面含めてさらけ出すことで共感や信頼を獲得するものがあります。
直接「プロセスエコノミー」という言葉は使われていませんが、プロセスエコノミーを理解するうえでファンベースを学ぶのは非常に効果的です。
プロセスエコノミーを実践できるサービス
「プロセスエコノミー」への注目の高まりから、プロセスエコノミーを実践できるプラットフォームが増えています。
00:00 Studio
クリエイターが作業中の様子をライブ配信するプラットフォームです。どのように作品作りが進んでいるのか、その瞬間にしかないコンテンツを配信し、売上につなげられます。
Youtube
プロセスエコノミーにYoutubeを活用することもできます。投げ銭機能もついているため、「00:00 Studio」のような使い方も可能でしょう。
また、メンバーシップ機能もあり、会員限定で様々な舞台裏をコンテンツ化していくこともできます。
クラウドファンディング
クラウドファンディングのリターンとして作品や商品ができるプロセスを公開し、支援金を集める使い方でプロセスエコノミー化できます。クラウドファンディングは「信用」を換金する装置であり、信用度の高い方には親和性の高いプラットフォームです。
合わせて読みたい
『マーケティング本』初心者におすすめの13冊|2021年最新版 - スポビズ研究所
「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」から学ぶ3つのコト
マーケティングの大家のひとり、森岡毅さん。本も色々と出されていますが、そのうち「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」はマーケターやマーケティング初心者だけでなく、あらゆるビジネスパーソンが読むべき本といえます。
今回は、この本から私が学んだポイントを3つに絞ってご紹介したいと思います。
「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」について
この本は、P&Gから当時苦しんでいたUSJに転職し、そのマーケティング力で見事V字復活させた裏側や考え方を通じて、「マーケティングとは」を教えてくれる本です。
たった1つの考えたはざっくりいえば「顧客第一」なのですが、言うは易く行うは難し、です。マーケティング部門がハブとなって「顧客第一」を組織に浸透させるのは簡単ではありません。
森岡毅さんがマーケターとして組織をどの方向にどう導いていったのが、その根底にあるマーケティングの考え方も含め、学べる一冊です。
「この値段で、この内容か」と思ってしまうほどお得です。ぜひチェックしてみてください。
「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」から学んだ3つのポイント
なぜ「戦略」が重要か?
一見すると「マーケティング」とは直接関係がないように思えてしまうかもしれませんが、「戦略」の重要性は漠然としか理解できていませんでした。
そんななか、マーケティングについて学びたいと思い本書に手を伸ばし、たまたま「戦略」について理解を深めることができました。
森岡さんは、本のなかで「戦略的思考はマーケターになるための第一歩」としています。そして、戦略とは「目的達成のために資源を配分する選択」と定義しています。
言い換えると、
・目的がない
・資源が無限にある
この2つの条件が揃っている組織において、「戦略」は不要です。しかし、ほとんどの企業には目的があり、そのために必要な資源は常に不足しているでしょう。
実際、USJの復活劇において象徴とされる「ハリーポッター」のアトラクションができるまで、森岡さんは戦略的選択の連続だったそうです。キャッシュフローが非常に苦しいなか、資源を集中させるべきポイントを見極め、成功を積み上げることで入場者数を伸ばしました。
現状の正しい認識が、顧客理解にもつながる
特に事業会社のマーケターとして仕事をしていると、どうしても視野が狭くなり、ともすると顧客視点から外れてしまいます。
森岡さんは、本のなかでも戦況分析の重要性を説いています。別著「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 (角川書店単行本)」でもより詳しく解説されているので、興味のある方はぜひご覧ください。
戦況分析を行うことで、自社を取り巻く市場構造を正しく理解し、それを味方につけた戦略を展開できます。私は、戦況分析を通じて自社をより客観的に分析し、結果として顧客目線につながると感じました。
たとえば、USJは社内でも「ディズニー」を競合として見る声が強かったとのこと。しかし、戦況を冷静に分析し、顧客の視点にも立って考えると、関東に住んでいる人が「次の週末にディズニーにしようか、USJにしようか」とはあまり悩まない。
関西に遊びに行く時にUSJに行くかどうかならまだしも、です。戦況分析により、「映画」に絞ったブランディングが「自己満足」であったとして「人気キャラクターのセレクトショップ」に変身し、入場者数の増加につながっています。
マーケターは組織を正しい方向に導く責任がある
マーケティングから組織論のような領域にもつながるのですが、森岡さんがマーケターは組織横断で顧客目線を貫かせる役割があるとしています。
実際、森岡さんはUSJでそのような組織体制を構築し、アトラクションの開発部隊などと連携しながら、あくまでマーケティング主導で「どこで戦うか」「どんなアトラクションを作るか」を推進しています。
逆にいえば、マーケターは組織を成功に導くかどうかの起点になっています。顧客目線でいくら正しいことを言っても、周囲が納得して動いてくれなければ成果につながりません。
森岡さんのUSJでの奮闘記は、そんなメッセージにも受け取れます。
「マーケティングと組織」については以下の本でも詳しく述べられているので、こちらもぜひご覧ください。
マーケターや若手ビジネスパーソン必読の本「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」をご紹介しましたが、別記事でマーケティングのおすすめ本や森岡毅さんの著書もまとめています。